がんになって日日是好日となるか

肺がんステージ3を宣告され、治療を続けるアラフィフの日常

君はひとつのマンガを六人で読んだことはあるか?

 

 

やっぱ、子供の頃に見てたマンガって、スゴイ影響力があると思うんですよね。

 

 

スポーツ系から恋愛系から冒険モノ、色々ジャンルがあるじゃないですか。

 

まあ流行りもあると思うので、「ここは押さえとかなきゃ!」みたいに読んだものから、本当に自分が興味があるジャンルとか、友達からのオススメ、リコメンド漫画を借りたりね、するじゃないですか。

 

って、イマドキの子供はデジタル配信だから、そういう経験もないのかな。

 

ま、私の学生時代には漫画の貸し借りとかは普通にあるわけですよね。

でね、私とかはよく友達から漫画借りてたんですけどね。

 

小学生のときに、なんか料理好きの友達がひとりいまして。

そいつが持ってる漫画がスゲー渋いチョイスなわけですよ。

 

ひとつめが「レモンハート」っていうね。

街にひっそり佇んでいるBARの話なんですけど。

よくあるミステリーに登場するBARみたいな探偵とか事件とか、うわついた話一切ゼロ。

もうガチなお酒の話しかしないわけですよ。

マティーニの歴史やら味やらレシピやらを1話丸々使って説明するわけですよ。

 

小学生ですよ。

カルピス飲みながら読んでんですよ、こっちは。

なのに漫画ではモルトウィスキーの歴史をマスターがウンチク語ってんですよ。

 

でもその漫画がおもしろくて。

 

友達とワーワー言いながら、読んでたんですが。

数年後、高校生の時に新しく知り合った友達がレストランでバイトしてまして。

お店でカクテルも出してたので、お酒に興味が出てカクテルを勉強し始めて。

私もレモンハートで培ったなんちゃってカクテル知識をひけらかして仲良くなって。

その後、友達は日本でトップクラスのホテル最上階にあるBARで働くことになって。

今でも私の大切な友達の一人だったり。

 

もうひとつの漫画は「クッキングパパ」っていう漫画がありまして。

共働きの子供二人の四人家庭で繰り広げる料理マンガでして。

お母ちゃんが料理苦手なので、お父ちゃんがいつも料理を作るわけです。

 

お父ちゃんは小さい頃、親が仕事で留守なので小さい妹の喜ぶ顔がみたくて料理を作り始めた経験から、メチャクチャ料理上手なわけです。

 

でね、パパが作った料理をみんなが「うめー!!!」って言ってガツガツ食うわけです。

 

またそのメシがうまそうで。

 

なにが言いたいかというと先日、ある会社の社長さんと雑談のときに、私が「私の息子、下手なりにちゃんと自炊してるみたいなんですよねー」って話になったら、「そりゃあ、父ちゃんが料理やってるところを見てたから、それが普通って思ってんだよ」って言われまして。

 

あーじゃあ、なんで私はこんな料理してんだろーとか思ったら、このクッキングパパが要因なのかなーと至った次第です。

 

多分、スポ根とか、冒険モノが好きだったら料理はしない代わりに「勝負には絶対勝つぞー!」とか「どんな困難にも立ち向かうぞー!!」とアツく語ったんだろうかと思うのですが。

 

私はクッキングパパですから。

キャッチボールよりキャベツの千切り。

悪者から世界を救うより、お鍋のアクをすくうわけです。

 

そう思いながら、今日は冷蔵庫の断捨離。

買い物をグッと我慢して在庫野菜を処理。

今日は大根の煮付けとごぼうサラダ、長芋の梅肉和えとだし巻き卵です。

 

あの日夢見たクッキングパパにむかって、今日も包丁をみがきます。