がんになって日日是好日となるか

肺がんステージ3を宣告され、治療を続けるアラフィフの日常

RUN

 

 

休日。

時は満ちた。いざ!っと、今日はガバっと起きました。

 

この日のために前日までの数日間4km、5kmをブラブラ散歩、まぁなんとかなるんじゃね?という結論に達し、退院以来本格的に走ってなかったランニングを再開です。

 

久しぶりのランニングウェアに身を包み、準備万端でいざ!と挑みます。

 

入院前に自分でルート開拓した5kmコース、10kmコース、15kmコースのランニングコースから、本日は5kmコースで様子を見ながら走りたいと思います。

 

久しぶりのランニングウェアを見た妻に「え?走るの?無理しないでね」と言われながら、余裕の笑みを浮かべつつ「まぁ軽ーく、やってくるよ」とドヤ顔でセリフを吐く私。

意気揚々と自宅を出ます。

 

自宅からランニングコースの河川敷まではウォーキングでウォームアップ。

音楽は「超強力」と名付けたB'zのアップテンポ曲ばかりを集めたプレイリストで、テンションを高めていきます。

 

 

河川敷に到着。

以前使用していたランニングアプリが終了したので、初めて使う後継アプリを起動。

曲は「ウルトラソウル」のイントロが始まってる。

全てスタンバイOK。

あとはアプリのカウントダウンからのスタートを待つだけです。

 

 

と思ったのですが。

アプリを起動して画面には「更新中です」と表示され、なんかクルクル回ってる。

 

 

おいおい。

ちょっと水を差さないでよ。

 

後ろから散歩中のおじいちゃんが私を追い抜いていく。

稲葉が「悲しみを知り独りで泣きましょう」って歌ってる。

なんか焦る私。

早く終わって。このクルクル。

スマホ見ながらアキレス腱を伸ばして誤魔化します。

 

 

しばらくしてアプリが起動。

さぁ、いよいよです。

アプリのスタートを押してランニングスタートです!

 

って、あれ?

 

なんか違う。

 

 

スタートする画面が出てこない。

 

「この体験を友達とシェアしませんか?」みたいにアプリから聞かれてる。

しないってば。ただ走りたいんだってば。

 

「プレミアム会員になって機能盛り沢山のPRO仕様アプリにしませんか?」

いらないってば。ただスタートしたいんだってば。

 

「おススメのワークアウトを選んでください。自宅で簡単に筋力・・」

だから走りたいの。いま、腹筋とかじゃないの。

 

「アボカドがお勧め食材の理由は?いますぐ、こちらをクリック!」

いま食事してないの。その情報も今はいらないの。早く走りたいの。

 

 

稲葉が「Do,it! Do,it! Do,it!」ってせかしてる。

アキレス腱伸ばしすぎて、なんかボーリングの玉を投げ終わった人みたいな姿勢になってる。

ギリシャの彫刻にある神を拝む人みたいなポーズになってる。

 

結局どこを押しても、スタート画面になる気配もなく。

応援歌の「ウルトラソウル」はとっくに終わり、稲葉が「ゼロがいい。ゼロになろう」って歌ってる。

 

というわけで、アプリなんかいらねー!とアプリを閉じて、そのままスタート。

バタバタ走り出します。

 

んー出だしは、いいですよ。足も軽い。

これ5kmいっちゃうんじゃね?いいタイム出るんじゃね?

いやーこれで体重も落ちて、体も締まって、バッチリだー。

 

って思ったんですけどね。

 

1km地点で、あれ?ってね。

なんか足重くないー?みたいな。

息スゲー荒いんだけど。

こんなに・・あれ?・・おっかしーな。

 

 

って2km地点で撃沈。

 

もう足の筋肉がパンパン。

えー!マジかよー!本当に走り始めた頃以来だ、こんなん。

トボトボ歩きながら、呼吸を整えます。

 

稲葉が「ギリギリchop」を歌ってる。

いやマジ、限界ギリギリです。

いやー筋力、体力落ちてんなーと実感。

体重が増えたのも要因でしょうしね。

 

でもまあ退院直後はたしか1kmも走れなかったので、ちょっと前進。

ここはポジティブでいきましょう。

誰もいないことを確認して、マスクを外して深く深呼吸。

稲葉も「心配ない問題ないナイナイザッツライフ」って歌ってる。

 

後半は歩いて、ちょっと走って、また歩いての繰り返し。

ただ、以前のようにガツガツ走るより気分転換できる散歩ペースのほうが、今の自分には合ってるかなーと思うのは、言い訳じみてるでしょうか。

まぁ、マイペースでまだまだ盛り沢山ライフでいきます。

 

稲葉が「荒野を走れ 傷ついても 心臓破りの丘を越えよう」って歌ってる。

こりゃー長い道のりになりそうです。