お菓子の国の人だもの。
いよいよ手術1周年アニバーサリーウィークが始まりました。
肺がん手術をして1年経過し、転移や異常がないかを調べる検査がスタートです。
経過観察の1年集大成の幕が上がります。
第1弾は手始めのPET検査。
1年ぶりのPET検査というか、久々の医療機関。
仕事復帰してすっかり3ヶ月に1回の通院だけになったので、医療機関に来るのもなかなか久しぶり。
待合室のテレビでは有名パテシィエが選ぶ、メチャクチャおいしいお菓子ランキングの発表が。
第2位は「ひとくちルマンド」。
わかる。
これほどまでに紫が似合うのは、ジオングとルマンド以外、私は他に知りません。
おばあちゃんの家に遊びいくと必ず出てくるブルボン三銃士。
ルマンド・チョコリエール・バームロール。
なんであんなにブルボン推しだったんだろう。田舎だからでしょうか。
まあ美味しいからという理由はあるのでしょうけど。
ブルボンのお菓子を食べるたびに、その時の時代へタイムスリップ。
味覚と記憶は繋がっています。
私が妻や息子に手料理を出し続ける理由は来るべき日の後に残るものを無意識に作っているのかもしれません。
ちなみにおばあちゃん家の次点はホワイトロリータ。(商品名がなかなか攻めてる)
ランキングの第1位は「ポッキー極細」。
あまりの王道にスポンサー圧力ではないパティシェたちの嘘偽りない声が聞こえてきます。
名前が呼ばれ、簡単な問診を受けて、着替えて、いざ検査室へ。
PET検査では薬剤を注射しますが、やはり血管が見えづらいとのこと。
んーなんか段々、血管が細くなっているように感じる。
以前は「血管立派過ぎて、逆に逃げちゃう」くらい言われてたのに。
「右と左、どっちがいいですか?」とナースさん。
「右の方が、太くて刺しやすいと言われてました」と私。
「どれどれ」と見てもらい、「右が太いんですよね?」とナース。
「右でもそんなに細いですか?」と私。
「いやー、すいません。・・・右が太いんですよね?」とナース。
「左、一応見てみます?」と私。
「いえいえ、右出してくれてますし。ええ、右で。右でいこうと思います」とナース。
すごい背中押してる感ある。すごい決断迫った感がある。
いいんですよ。左でも。どっちでも。失敗してもいいんですよ。ってーか、みんな最近、打率低いですから。あなただけじゃないから。気にしないで。
「右なんですよね・・・右が太いんですよね・・・」とブツブツいいながら、私の腕をさすり続けるナース。
さすり過ぎて燃えてきそうです。皮膚は真っ赤ですが、肝心の血管は見えてきません。
「じゃあ。いきます」
プスッ。腕に1発目。
「・・・痛いですか?」とナース。
注射を打たれ、痛くないといえば嘘にはなるけど、いい年こいた48歳の男が医療の現場で注射が痛いと申告する痛さのレベルかどうかといえば、激痛でもない限り「痛くない」と答えるのが一般模範解答だろうと判断。
「全然痛くないです」と私。
「やっぱりダメかも。抜きます」とナース。
「どうもすいません」と私。
「いやーごめんなさい」とナース。
気まずい雰囲気と、後ろに控える薬剤を注入する機材を操作するナースさんも動向を固唾を飲んで見守っています。
「次、痛いですけど手の平でもいいですか?」とナース。
なんか痛そうだけど、コクリと頷き、手の甲にプスッ。
「痛いですか?」
痛いけど、痛くない。痺れはないので痛くないということなんでしょう。
「大丈夫です」と私。
「・・・ダメでした」とナース。
「すいません」と私。
「いえいえ、ごめんなさい」とナース。
「左、いいですか?」とナース。
とうとう禁断の左、登場です。腕を見せると「・・・ああ」と落胆の声。
ご期待に添えず、すいません。
「じゃあ、いきますっ!」と左にプスリ。
「痛いですか?」
「大丈夫です!」
「じゃあ、薬剤いれてみます!」
「了解です!」
機材操作しているナースさんが西川きよし師匠ばりに目を見開き、薬剤漏れをチェック。
「・・・無事、入ったようです〜」
広がる安堵の空気。なんか全員でハイタッチしたい気分。
ここまで血管が細くなった理由は加齢なのか、運動不足か、はたまた・・?
まあ、あとは安静と撮影だけということで。何事もなく無事終了。
とりあえず検査第1弾は終わりました。次回は来週。
来週は心臓の経過観察と血液検査と問診、結果発表。
検査結果次第ではMRIも追加になるのかな?
自分のなかでもこの検査の結果次第で、今後の仕事の取り組み方や生活の仕方を決めていこうと思っているので、節目の検査となりそうです。
まずはお疲れ様という意味で、ルマンド買って帰ります。
自分はなんもしてないけど。