がんになって日日是好日となるか

肺がんステージ3を宣告され、治療を続けるアラフィフの日常

最初に買ったCDは久保田利伸。

 

 

 

断捨離しなければと思いまして。

 

あんまり物があると、いざという時困っちゃうなーと思いまして。

自分一人のためにこんなに物があるのもおかしい話だと思いまして。

で、自分の部屋にあるCDラックを恨めしくみつめてしまいました。

 

いまでは、やれ配信だ、やれサブスクだとわめいてる世の中ですが、ひと昔前はCD、レコード当たり前だったわけです。今時の若者が、チャカポコチャカポコとワイヤレスで音楽聞くまでには、それなりの歴史があったわけです。

 

CD8cmシングルあったよね?細長いシングルケースの収納に困ったでしょ?

MDあったよね?CDに録音できるってテンションあがったでしょ?

テープあったよね?メタルテープ高いなー、TDKとマクセルどっちかなーと悩んだでしょ?

レコードあったでしょ?静電気防止スプレーをしてから針のせてたでしょ?

 

いわゆる音楽の進化の歴史を共に歩んできた年代な訳です。私たち。

で、ちょうど私が単身上京し初任給で買ったのがテレビでもなく、親へのプレゼントでもない。

 

ステレオコンポ(わあーコンポって既に死語では!?)

 

NO MUSIC ! NO LIFE ! を叫び、それまでのウォークマン(携帯型カセットプレイヤーである。すでに現在では大婆様が語り出した話ぐらい伝説らしい)から、コンポのある生活を望むくらい音楽を愛してきた私なわけです。

 

で、単身上京して独りぼっちな私は考えたわけです。

 

配属された店舗は同年代はほぼゼロで若くても30代、4、50代中心。

日々暮らす独身寮も同期はゼロで、全員先輩。絶対服従。王と下僕。「付き合え」と言われれば「はい」以外ありえない24時間営業。

 

そんな環境のなかで共通の話題で盛り上がるためには。

本?映画?ゲーム?好きな人もいれば、嫌いな人もいる。ジャンルも多すぎ、時間もかかる。

 

 

そこで音楽。

 

 

音楽をまったく聞いたことがない人はおそらくいないだろうと。

何かしらの曲に何かしらの思い出がそれぞれあるだろうと。

じゃあ音楽がそこそこ詳しければ、話が広がるんじゃねーの?と考えた訳です。

 

それからどんなに金欠でも絶対毎月CDアルバムを1枚買うというミッションを設けて、コツコツCDを買い続ける日々が始まりました。

 

最初の頃は好きなアーティストを買っていたのも段々と買い尽くして、全然聞いたこともないアーティストをジャケ買いしてみたり、店内で聞いたいい感じの人を買ってみたりと、それはまあ多国籍、多ジャンル、カオスなCDラックが出来上がっていく訳です。

 

おかげで話を合わすこともでき、結婚式の選曲をお願いされたり、仕事でも音楽関連のものをまかされたり、うまく活かすことができたなーと思いつつ気がつけば我が家のCDラックには数百枚になったCDアルバムがこれでもか!と残っているのです。

 

断捨離となると、まずはこのCDに手をつけなければならないのですが。

もう1枚1枚、ああこの時こうだったんだよねーとか、思い出リフレインでなかなか思い切ることができません。

 

 

チャゲアスで誰もが「SAY YES」を歌う中で「太陽と埃の中で」をチョイスする俺、わかってるから感を醸し出してた時代とか。

 

尾崎豊が亡くなった夜、先輩と深夜ドライブして寝巻きのスエット姿で「卒業」を聴きながら六本木のマックを食べたなとか。

 

東京ドームのコンサートに興奮しガンズの「Knockin'on Heaven's Door」を先輩と大合唱したとか。

 

なかなか断捨離は進まなさそうです。