がんになって日日是好日となるか

肺がんステージ3を宣告され、治療を続けるアラフィフの日常

恵比寿様の祝酒

 

 

5月で息子が誕生日を迎え、晴れて二十歳。

 

おお、マジか。

 

長いようであっというの間の20年間。

 

生まれた時、息子が自分の小指をぎゅっと握ってくれた記憶は覚えてるし、

哺乳瓶を吸う力加減や寝る時のガーゼハンカチがかかせなかったことも覚えてるし、

保育園で意中の女の子をこっそり指差した事も覚えてるのに、もうハタチ。

 

あらー、そりゃあ人生色々起きるよなぁとしみじみ。

 

子供が二十歳になったら一緒に酒を飲むという、ごくごく一般的な夢を叶えるため

旅行がてらに家族で旅館に1泊しようということになりました。

 

久々の旅行なのでテンションもあがりますが、息子は次の週からテストのようで、勉強の息抜き的にというスタンスで親のわがままに付き合ってくれる形となりました。

 

我が家から息子が住むところまで車で4時間。息子をピックアップして30分行ったところの温泉地で1泊というスケジュール。

 

酒を飲むのが目的ということを言いながら最近めっきり飲んでいないので、量は飲めないし、顔は真っ赤になるだろうなぁと予想しながらも、部屋飲み用のお酒もコンビニで大量買いしていざチェックイン。

 

旅館は歴史ある趣ある建物で、温泉や料理が自慢のお宿です。

 

 

ちょっとお部屋で休憩して、夕食の時間に。

夕食の和食膳で思わず普段飲まない日本酒をオーダー。

 

和食には断然、日本酒!というお酒飲み仲間から以前もらったアドバイスと晴れの日という特別感でサービスの方がお勧めする地酒を思わずチョイスしてしまいました。

 

息子はビールを堂々とオーダー。

おお、息子もやる気ですな。

日頃「未成年だからダメ」と厳しくいう妻もウンウン頷いてます。

 

「ビールの銘柄はどうしますか?」とサービス担当が息子に聞くと

 

「じゃあ、エビスで」

 

はああ!?

エビス?お前、そりゃあ、あまりにも贅沢だろう。

つーか、ビールの味そんなに知らねーだろ。

いつもカシオレとか甘い酒しか飲まねーのに。

 

「なんでエビス?」と聞くと

 

「前にお父さんの会社の人と食事した時、エビスを飲ませてくれたから」と返答。

 

ん?前って、いつ?という妻がこちらを睨む目線に気づかないフリをして

「そうかそうか」とこの話題はやめようと判断。

 

「では、おめでとう」ということで、三人そろって乾杯。

さぞかし感慨深いかと思いながら、そんな感じでもなく、あっさりしたもんです。

でも頼んだ日本酒は空になり、自分が思ってたより美味しいお酒だったようです。

 

温泉に入り、夕食のお酒でほどよくなった私はあれほど買った部屋飲み用のお酒には手をつけず、翌日早々に息子のアパートに戻り、妻は汗だくでアパートの掃除をして、息子に

「じゃあまたね」と別れ、帰路へ。

 

 

子供を二十歳まで見ることができたというのは嬉しいものです。