がんになって日日是好日となるか

肺がんステージ3を宣告され、治療を続けるアラフィフの日常

形から入るタイプです。

がんになる前、仕事をゴリゴリやっていた頃は、時間があったら、まとまった休みがあったら、あれやりたい、これもやりたいみたいに考えてた訳ですよ。

 

そのなかのひとつに楽器がありましてね。

楽器が演奏できる男性って、なんかカッコいいじゃないですか。

なんか趣味謳歌してますよオーラでてるじゃないですか。

休日の日にね、昼下がりソファに座ってギターをポロ〜ンみたいな。

カフェオレ飲むみたいな。

 

 

やりたい。

 

原田知世とCMに出そうな光景を自分でもやってみたい。

 

なので、時間があったら是非、チャレンジしようと目論んでたわけです。

 

 

で、肝心の楽器なんですが、家に既にあるにはあるんでよね。

私も視界の端にある存在には気付いてたんですけどね。

なかなかね、手を伸ばすまでいかなくて。

「いるよー、いるよー」と若干の声は聞こえてたんですけど。

でも、まあ「忙しい」とか「時間ない」とか言い訳しながら聞こえないふりして今日までに至るのですが。

 

その楽器ってのが、

 

 

埃をかぶったウクレレ

 

 

これは数十年前、結婚式の余興に「亜麻色の髪の乙女」を演奏することになり購入。

バンド経験者に混じって仕事終わりや休みの日に必死に練習。

プルプル震える指が逆に絶妙なアレンジに聞こえるマジックプレイ。

 

「なんかハモってるよねー」

「すげー音、広がってるよねー」

 

と仲間がひきつった顔でなんとか捻り出した言葉が100%お世辞と気づかず、私も調子に乗って

 

「いやー、もっと練習して今度、大きな舞台で弾きたいっすねー」

 

みたいに言ってたのですが、もはや古代遺跡ばりに誰の手にも触れられず、ひっそりと部屋の片隅にただずんでいるのです。

 

それからも楽器好きな同僚に「楽器はやってたほうがいい」というアドバイスを受け、たまーに出しては弾いてはみるものの、ビートルズの「Let it be」で有名な「レリビー、レリビー♪」の滑らかな旋律は「レ、レ、レリ、レリビ?」みたいな変なラップみたいになっちゃう。

DJ松永がリミックスしてんじゃね?みたいになっちゃう。

もはや原曲の形すらない。逆にオリジナル感強すぎてパクリ疑惑に転換するのではと不安になる。

 

これじゃあ、ダメだと。

ウクレレはやっぱハワイアンだよねと「アロハ・オ・エ」を演奏。

もう南国というより、飲みすぎたサラリーマンが道端で吐いてる光景になっちゃう。

アロハの挨拶が、呪いの言葉にしか聞こえない。

 

これじゃあ、いかんと。

時は今。敵はポロロ〜ンにありと。

いざ立ち上がった訳です。

 

いまはなんちゃらウィルスと病気のこともあり、定時で帰り、休みもあり、仕事の量もプレッシャーも負担の軽いモノになった今、時間はたっぷり。

体も今のところ順調だし。

ステージは整って、まさに絶好のベストタイミング。

 

おし!じゃあ、おいしいカフェオレを作るところから始めよう!!