がんになって日日是好日となるか

肺がんステージ3を宣告され、治療を続けるアラフィフの日常

自分に起きた環境破壊

抗がん剤治療が終わって、普通に仕事をして早数ヶ月。

商談や別な場所で働く同僚とも会う機会が多くなり、


「あ、どもども。いやーご無沙汰してましたー」


とお互い定例の挨拶をしながら、気づきます。



あなたの目線、私の髪の毛ですよね?


「お元気ですかあ?」


と言いつつ、目線私の頭。


え?そんなハゲてる?私。


あえて突っ込まないけど、確実に目と目があってない。

目と目で通じ合ってない。

かすかに、ん、ハゲてる?

MUGO・ん・ハゲてる?



確かに抗がん剤治療中はパラパラ、抜け毛があったことは事実。

白髪も増え、よく言えばリチャードギア。

悪く言えば、雪山で遭難者を襲う鬼婆くらいの白髪になったことも認める。


でも、それほど抜けてないよね?

最近、抜け毛減ってきたよねってくらいの実感すらある。髪の回復傾向感じてた。

逆に、髪の回復力で以前よりも髪の量増えたんじゃねくらい感じてた。


じゃあ、実際どうなの?と。

こりゃあ、検証だと。



うちの洗面台で鏡、三面鏡にしてチェックしてみたよね。

前方よし。たしかに生え際は後退してるが、あんま変わんない。

横方向よし。ここもあんま変わんない。

後方・・・後方・・・

ってーか、頭頂部。てっぺん。


地球温暖化で氷溶けたみたくなってる。

地表見えてる。

あーこれかなと。

よく見れば、確かに全体のボリュームも少なくなっていると感じる。


まあ、でもこれぐらいしょうがねーよと。

俺は個性派を目指すんだと。演技派だと。

アイドルじゃねぇんだよと。



ある日、開き直って美容室のお兄さんに言ってみたよね。

帰ってきた言葉は、


「前からっすよね」


私の周りはみんないい人なのです。優しいのです。優しすぎるのです。

私の劣化を本人に悟られずに、みんな接してくれていたのです。


結論:減ってはきてますが、ただの経年劣化です。



おうおうじゃあ、日本のジャックニコルソンを目指してやるよ。

目標はジャンレノだ、ブルースウィルスだ。モテ期到来だ。


それでもダメならウィッグだ。

科学の進歩を召喚だ。2021年なめんじゃねえぞ。

可能性は腐る程あるんだ。

こんな壁、楽々に越えてやる。

つーか別に気にしてねーし。

こういう事はポジティブに考えるめんどくさいネガティブ人間。


「でも、結局人間中身っすからね」とお兄さんに悟られ


「・・・そうですね。精進します」



中身の美しさは外見を凌駕する。