がんになって日日是好日となるか

肺がんステージ3を宣告され、治療を続けるアラフィフの日常

がんで主役級に成り上がる。

紹介状をもって受診した総合病院の呼吸器内科に通されました。

 

とりあえずレントゲンをという事になり、レントゲンを撮影。その結果をディスプレイでお医者さまと一緒に確認しました。

 

「やっぱり同じ位置に白いもやがありますよね、これ」と示された場所は、前のCTとは位置は同じでしたが、CTに写っていた白い丸と違って煙のような白いモノが写っていました。

 

「肺炎による炎症の可能性もありますしね。もう少し詳しく調べる必要がありますね。ただ肺がんだった場合、進行が早いので精密検査の予約しましょうね。来週、大丈夫ですか?」

 

お医者さまはできるだけ早く検査をしたほうがいいオーラ全開で、内線をかけまくって技師の方々に「今回も至急で、いつもすいませんね」と私の前で電話の向こうにいる人へ頭を下げつつ検査の段取りをしてくれていました。これを「いやぁ、来週は仕事がたてこんでて…」などとのたまう、どこかの成り上がり仕事第一主義ビジネス成功者のような信念を私は持ち合わせているはずもなく、

「はい、いつでも大丈夫です」と会社に確認もなく答えたのでした。

 

診断を終え会社に連絡をし、事の次第を報告。「仕事は心配せず、病気のことを最優先に」「ゆっくり静養してください!」「こっちは気にせずに!」とありがたい言葉を多数いただきました。なんか、みんな優しい。やっぱ「がん」の衝撃度ってスゲー。改めて感じる「がん」というハプニングランキングの浸透率。聞いた途端に誰もが優しくなれる魔法の言葉。

 

まじ「がん」リスペクトっす。

 

それから検査がはじまりました。採血でしょ、CTでしょ、採尿でしょ、肺活量測定みたいなやつでしょ、心電図でしょ、痰とるやつでしょ、あとはなんといっても気管支鏡下検査。

 

気管支鏡下検査って聞き慣れない検査なのでググってみると、それは恐ろしい言葉がいっぱいの記事しかヒットしない。

 

「もうやりたくない」

「医師が選ぶ絶対自分が経験したくない検査ナンバー1」

「がんで死ぬより検査で死ぬかと思った」

 

嫌なんですけど。スゲー怖いんですけど。

 

この検査の説明する時にお医者さまが言ってたことは

 

「ご飯食べてて気管とかにモノがはいって、ゴホゴホむせることがあるでしょ。ごはん粒でもそうなんだから、気管支鏡みたいなモノが入るって想像したらねぇ、わかるよね」

 

例え話がうますぎて、わかりすぎるんですけど。もう頭の中、ホラー映画ばりに絶叫が鳴り響いてんですけど。

 

「今回の腫瘍は肺の下の末端なんでねぇ、気管支に近いとまだいいんだけど。末端まで届くかなぁ。結構、奥まで見ないとわからないかぁ。奥って細いからねぇ、入るかなぁ」

 

もう話聞いてるだけで、ピー!の穴に金属の棒がグリグリねじ込んでいく音が聞こえます。もはや私の命、風前の灯。

 

そんな私の絶望的な顔色を知ってか、知らずか 

「だから全身麻酔でやりますから」とお医者さまは胸を張って言ってくださいました。

 

人生初の全身麻酔です。うわぁ、これもドラマで聞いたことあるぅ〜と完全オノボリさん状態です。

検査は喉に麻酔をするのに、口を開けて薬をオエッ、オエッとえずきながら塗ってから始まりました。始まりましたといっても「はい、じゃあ麻酔していきますねぇ」と酸素マスクをされた途端、瞬殺で落ちました。

 

「はい、終わりましたぁ」と起こされて検査終了。

 

なんか検査中咳をした記憶がないんですが、咳をいっぱいした感覚が寝起きにありました。

 

今後の検査として、がんの転移を調べるためのPET検査、MRI検査などなどの予約をしている途中、お医者さまから呼び出しが。

 

「検査の途中ですが、腫瘍は悪性、肺がんと判明しました。大きさは2.2ミリ。血液検査の腫瘍マーカーの値も悪くなく、転移もいまのところ見当たらないのでステージ1ですが、周りの細胞に少し影響してるのでステージ1の2段階目ってところです。これぐらいであれば、まだ若いですし体力もあるので手術して大元を取り除く手術が最良と思われます。近日中に今時点での検査結果を踏まえて、ご家族の方同席のもと、ご説明をさせていただきたいと思います」

 

来たな。いいぞ、なんか主役級の展開になってきた。